kmuto’s blog

はてな社でMackerel CREをやっています。料理と旅行といろんなIT技術

「CRE Meetup!ユーザー信頼性を支えるエンジニアリング実践例」に参加してきた

先月MIXI社で開催されたCRE Meetup!ユーザー信頼性を支えるエンジニアリング実践例 - connpassにリアル参加していた。

CRE(Customer Reliability Engineer)、各社いろんな像があるんだなぁという気付きの多いイベントだった。

いま自分ははてな社のMackerel CREとして、カスタマーサクセスやカスタマーサポートの役割を持って直に顧客と相対しているけれども、今回のイベントの発表各社は、顧客と相対するカスタマーサクセスやカスタマーサポートが別の部隊で存在して、その部隊への支援を中心とするアプリケーションエンジニアをCREと位置付けているという印象。

スクランブルスクウエアのMIXIオフィスは綺麗・広々。表参道から銀座線で向かったら予想以上に早く着いて、一番乗り(というかフライング)になってしまった…。

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「管理ツールの権限管理で改善したこと」MIXIの佐々木さん。

toCみてねサービスのCREというのはどういうお話なのだろうな、と思ってたんだけど、顧客対応にあたるチームおよびそのメンバーの、さまざまなサービスにおけるアクセス権限管理という話題で、全面的にtechだった。

いろいろな機能がコンポーネントとして開発され追加されていく過程で、それぞれの権限管理がわからなくなるのはいかにもありそうだし、みてねサービスクラスだと顧客対応にあたる人数も多数なので混乱はありそう。

ID管理基盤は別にあるということで、そこに持たせずにRails用独自のロールオブジェクト管理を併用するのは将来的に負債にならないのかなとは感じた。

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「管理機能の技術選定:5年後、現場は耐えたか?」スマートバンクの大高さん。

Railsバックエンドのアプリケーションの管理画面をどう実装するかにあたって、フロントエンド開発の専門家がいない中で過去にReactを選定し、いま答え合わせしてうまくいっていそう、というお話。

管理機能に求められる役割が厖大で、社内向けといってもかなり規模の大きなアプリケーションなのが印象的だった。

管理画面、Mackerelでは開発チームが用意したものだけどその主たる利用者はCREやビジネスチームなので、自分たちの生産性向上のためにCREがUI改善するのは大いにアリだよなぁと思った。

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「CSオンボーディング改善におけるCRE的アプローチ」ログラスの子田さん。

toCが続いた中でtoBのサービス。カスタマーサクセス部門の顧客オンボーディング支援がうまくいくようにエンジニアとしてCREが支えている。

業務の一環で似たことをしているので、全体に「わかる〜」が多い発表だった。「朝会でビジネスサイドと頻繁に定例してリスクを早めに検知する」は、いまカスタマーサクセス方面で似たようなことをしており、確かに効果は出ている。

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「お問い合わせ対応の改善取り組みとその進め方」MIXIの星野さん。

みてねサービスへの問い合わせをZendesk経由で対応する際の、自動化を中心としたお話。テンプレによる自動回答とそれで解決できたかの検証をやってみたが、入信内容が多様すぎて精度が上がりにくかった(状況を機械的に判別できないケースが多い、導線が違うところからくる、フリーフォーマット)というのは「それな…」という気持ちになった。

導線改善、ルールベース自動化、MLによる推測、海外に対してはAI翻訳などの施策を打っているとのこと。

「そもそもの質問を減らす施策は?」という会場質問もあったけど、toCならではのユーザーの本当の声の収集の難しさもありそうだった。

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「CREとCSチームのコラボレーションで事業を成長させる」スマートバンクの佐藤さん。

カスタマーサポートの業務効率最大化への取り組みを濃縮した発表で、聞き応えがあった。カスタマーサポートの業務効率最適化をすることで、結果的にユーザー体験の向上(対応速度など)につながる。

サポート作業を分解して課題を解消あるいは効率化するだけでなく、対応後の効果検証をしっかりしているのも印象深い。カスタマーサポートが課題を登録する際に、細かい根拠情報まで入れているのがすごいなと思った。

いずれも10分トーク+5分質疑でテンポが良かった。配信もしていて豪華。

懇親会でいろいろお話しした。はてなCREといえば…で id:a-knowid:missasanid:Soudai の名前が挙がっていて、自分もいつかそういう記憶に残るCREになっていけるといいな。次回あれば、Mackerel CREとしての活動について話す機会を持ちたいね。