コンピューティングは日々あっという間に進化していくイメージがあるけど、いくら進化が速いとは言っても、人間が作り、かつほかの人間たちの理解と評価があって普及していくという現状においては、そうそうシンギュラリティというほどのことは起きず、あくまで知識の連続性に立っているのだろうと思う。
で、社会人としてもうだいぶ長くいると、過去にためた知識・スキルがひょんなことで役立つときがままある。
クラウドと言ったところでデータセンターやオフィスのネットワーク機器の監視にSNMPは安心実績の機能であり続けているし、サーバー管理にクールなGUI(あるいはSF的なVR)は多数のリソース管理には不向きでテキストベースのIaCとシェルスクリプト芸に戻ってきた。
Unicodeで解決と言われていた文字コードは、あいかわらずCP932は健在だし、BOM有無の挙動、Emojiでの文字数とバイト数の乖離と面白現象の宝庫。
AIによるコーディング支援も、やりたいロジックを理解した上でのプロンプトが前提で、たとえ対象のプログラミング言語自体を詳しく知らないにせよ、AIから提示されたコードがロジックとして一見して正しそうかどうかという判断なしでは「ネットから拾ってきました、中身は説明できません!」と変わらなくなってしまう。
ということで、ITだと学んできたものが無駄になることはあまりなくて、役立つこともままある話。昔の知識のまま今のすべてに当てはめて物事を見るのは当然ながら危ないので、そこは常にちゃんと新しい知識・スキルをインストールしていく必要はあるけどね。
…実装の詳細がわかると、背景となる高度な概念のパターンが見えてくる。…(略)…視野が広がれば頭も柔らかくなる。君の脳みそが分類して理解した概念やパターンは、特定のベンダのテクノロジよりもはるかに拡張性があるし普遍的だ。